23:名無しNIPPER[saga]
2015/04/16(木) 21:35:14.78 ID:BlQXIsllO
【お似合い】
今日は特に任務もなく、行軍も行われない日だったのだが、何故だかお城にお呼ばれする事になった。
王様からは、もし時間があるなら話があるから来て欲しいとの事。
このような呼ばれ方をするのは初めてだったので、平素の格好で向かって良いのか迷った。
兵士「ああ、勇者様と賢者様。お通しいたします」
けっきょく、いつも通りの鎧と法衣を着ていった僕らは玉座の前に通される。王様が軽く手を翻すと、その場にいた兵と文官は広間をあとにした。
王「よく来てくれたな。おお、おお、ふたりとも面をあげてくれ。話し辛くてかなわん」
勇者「本日はどのようなご用命でしょうか、王様」
王「まったく、お前は……肩のこる事よ。鎧なんか着てこなくて良いというに……」
顔を上げてなお、僕がかしこまると王様は呆れたように頭を掻く。
王「今日はワシからひとつ提案させて貰いたい事があってな」
王「ときに。そなたが勇者として剣を振るい始めてから、失われたこの国の領土の9割が戻りつつある」
勇者「はい」
今や、魔物の住む領域の方が珍しくなりつつある。
王「この国、唯一の王として、礼を言う」
勇者「そんな。まだ未熟だった僕らが今までどうにかやってこれたのは、王様をはじめとして沢山の人のお力添えがあったからです」
王「ほっほ……」
王「まあ、そんなことはどうでも良い」
勇者「ど……」
どうでも良いのか……。
王「この世界が平和になったら、この城で盛大な式を挙げさせてくれないかと思ってな。無論、そなた等が主役だ」
勇者「!」
けんじゃ「!」
勇者「とても嬉しい、嬉しいのですが、その、未だ貧しい地域もある一方で、僕たちの為に汗水を流してもらう訳には……」
王「ほっほっほ、気にするでない。この国の救世主が夫婦となったとなれば、復興に勢いもつくだろう」
勇者「……」
……
へ?
めおと?
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