35:名無しNIPPER[saga]
2015/04/21(火) 11:44:05.60 ID:PuX6TKv3O
魔王「では、最後の質問だ」
魔王「平和とは、何だ?」
勇者「平和……」
皆が望むもの。
形のないもの。
僕が目指すもの。
魔王「これは、私自身の自問でもある」
勇者「…………」
魔王「お前たちは私に辿り着くまでに、何を見てきたのだ?」
その声は細く、悲壮だ。僕を試すようでもあり、縋るようでもあった。
けんじゃ「まおうさま」
魔王「ぬ?」
けんじゃ「このへんで、ひろくてたいらなところはありますか」
勇者「賢者?」
今度は賢者が前に出る。彼女は、平和の何たるかを知っているのだろうか。
魔王「良かろう。何を見せてくれるか知らないが、とっておきの場所がある」
魔王「着いてきてくれ」
魔王は僕たちを階段の方に案内する。罠かもしれないが、今さら仕方ないか。
魔王「部下にもこの場所には絶対立ち入らないよう言ってある。とっておきの場所だ……」
魔王は厳重な封印らしきものを解き、重々しい扉を開く。
特に何事もなく、僕たちは屋上に招かれた。
勇者「ここは……」
床に、巨大で複雑な魔法陣が描かれている。
魔王「この魔法陣は気にしなくていい。ちょっと、発動すれば火の魔素が世界に降り注ぐくらいだ」
勇者「それって」
魔王「案ずるな。発動させるにも、集中を保って5分程魔力を送らねばならぬ。何より、平和の話をするのに野暮であろう」
魔王「では、話を伺おうではないか」
63Res/50.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。