56:おまけ。蛇足[saga]
2015/04/22(水) 18:12:00.44 ID:FV4D/2Y+0
【人間】
けんじゃ「……………………」
賢者は瞳を閉じた。
けんじゃ「ひとの、あいだ」
人の、あいだ?
けんじゃ「ひとは、ちいさい」
けんじゃ「よわいくせに、つまらない」
けんじゃ「わたしもゆーしゃも、ただの、ひと」
けんじゃ「けれど、わたしたちは」
けんじゃ「たいらかな、なごみも」
勇者(平らかな和み……平和)
けんじゃ「あおあおしい、はるも」
勇者(青々しい春……青春)
けんじゃ「まれな、のぞみも」
勇者(希な望み……希望)
けんじゃ「たくさんの、すばらしいものをのぞいた。わたしたちと だれかの あいだに」
けんじゃ「ひとと、ひとのあいだに、にんげんをなす」
勇者「賢者……」
人の間……それが、人間。
人間という生き物を成してきたのは、いつも人ではなかった。人と人のあいだに、介在するもの……。
けんじゃ「それは、ときどき ふもうなこともした。わたしたちがみてきた それも、にんげんのいちめん」
けんじゃ「でも」
けんじゃ「きっと、わかる」
賢者の手が、僕を繋ぐ。
近づき、離れ、もう少し近づく。 賢者の近しくなりたいという想いが伝わる。
漂わせる香りが、僕の心を乱す。 賢者が僕に媚ぶ想いが伝わる。
あいだの空気が温かくなる。 賢者の温かい想いが伝わる。
視線が、僕とのあいだでふらふらと動く。 賢者の揺れる想いが伝わる。
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