過去ログ - ABE NANA Z〜アイカツの「F」〜
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9: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/04/10(金) 22:39:29.89 ID:N8MCYESO0
 そこまで言って、菜々は口を塞いだ。
 そんな特撮の設定の星など、あるはずがないのだから。

 ちらりとフリーザを見ると、口を閉ざしたまま菜々をじっと見ていた。
 あぁ、死ぬかもしれない、菜々はそう思った。

「やはり、カタギの連中と付き合いがありましたか」


「本当にあるんですか!!!!!」


 自分で言っておきながら、実際にフリーザは関わりを持っていたことに驚きを表す菜々。
 そのことをしまったと思うも、フリーザは別段変に思っていないようだ。
 ふーっと額の汗を拭う。

 というか、フリーザ様はウルトラ警備隊をカタギと表現するらしい。

「彼らとはトラブルばっかりでしたよ……大猿になったサイヤ人とよく取っ組み合いになったりしてましたね。あと、たまにがさ入れされたり」

「がさ入れされたのッ!!!?」

「うちはあくまで合法的に侵略や破壊、星の売買を行っているというのに、難癖付けて鬱陶しいったらありゃしませんでしたね」

 愉快そうに笑うフリーザだが、菜々は1ミリも笑えなかった。
 スケールがデカイだけで、完全に地球のヤクザと警察のそれだ。

 ウサミン星って平和な星なんだろうなぁと、菜々はしみじみ思った。

「まぁ、とにかく、同じ宇宙人アイドルとして頑張っていきましょう」

 フリーザはニコリとしながら、手を差し出してきた。
 握手のつもりなのだろうが、菜々は怖くて手が出せない。
 手を引きちぎられそうだった。どこぞの全身葉緑体の光合成マンみたいに再生など出来ないのだ。

 数秒間フリーザの手を見つめて、菜々は決心したように手を握った。
 引きちぎられるなんてことはなく、ただ思ったよりもフリーザの体温が高くて、温かい手だなという印象だった。


 ――ただ、ちぎれはしないが滅茶苦茶痛かった。


「あだだだだだだだだだだだだだだーッッッッ!!!!!!! お、折れる!!!! 折 れ ま す ! ! ! ! !」

「おっと、これは失礼」

 パッと手を離してくれるフリーザ様。
 彼的にはまるで力を入れているつもりはなかったのだろうが、それでも戦闘力5にも満たない虚弱で貧弱な菜々にはとてつもなく強い力だ。
 危うく二度とマイクが握れない体になるところだった。


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