26:名無しNIPPER
2015/04/11(土) 22:11:04.88 ID:gC6OIYV/0
「あたしをこんなのにしたのはあんたなんだからぁ…」
泪も、言葉も止まらなかった。
ぎゅっと、陽炎の腕に力がこもる。
「よく言えました」
泣きはらした顔で見上げると、陽炎が笑っていた。この笑顔に何回だって助けられた。この笑顔を好きになった。
「…あたしを一番にしてよ。もう陽炎にクソなんていわないから…」
一番言いたかった言葉がやっといえた。胸を締め付けていたつっかえが、とれた気がした。
「あんたが、曙が好きよ。世界で一番。素直になれなくて、不器用で、でも本当は誰よりも優しくて、頑張りやな曙が好き」
陽炎が曙の顎を引いて、そのまま自分の口元へと引き寄せた。
「…ん…っ!」
胸が高鳴って痛かった。それでも、嫌な痛さではない。
「…しょっぱいでしょ。いっぱい泣いたから」
「曙の味がするわ」
「…このクソ陽炎」
また言ってしまった。この癖はしばらく治りそうにないなと曙は思う。それでもいいや、とも思った。あたしが好きになった人は、こんなあたしを受け入れてくれた人なんだから…
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