過去ログ - P「伊織か?」伊織「お兄様!?」 Re:
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29: ◆K6RctZ0jT.[saga]
2015/04/12(日) 00:16:00.10 ID:bOdoSl9s0
P「でも本当のお前は違うんだろ? 人には言えない事情があるほど歌にかけてるのに、言ってることはただの自己満足でしかないなんて……」

千早「わかりました。そんな説教私には響きません。もう聞きたくありません。失礼します」

そう言って立ち上がる如月。

P「待て如月! お前は逃げるのか?」

如月は背を向けたまま立ち尽くしていたかと思うと、くるりとこちらに向き直った。

千早「いいえ、逃げるのではなく、無駄だと判断したまでです」

俺も立ち上がり、如月の前まで歩く。

P「俺はまだ大事なことを伝えてない。そんな態度だから余計に説教が増えるんだ」

如月は、ふぅっとため息をつき俺から視線を外す。

P「俺は言ったぞ、本当のお前は違うんじゃないかって……」

少しハッとした様子の如月。うん、人の話はよく聞きましょう。

P「いいか? お前はただ歌を聴いてほしいだけじゃないだろ?」

如月が俺を見上げる。その表情に怒りの色は薄れ、別の色が浮かんでいるように見えた。

P「自分の歌を聴いてくれた人に感動を与えたいんじゃないのか? だから俺は自惚れるなって言いたいんだ。歌で人を魅了する前に、他のことでまずは魅了させてみろ。アイドルの本分だ。そこで追い打ちをかけるように歌で魅了してやれ、そうして初めてお前の見たい世界が見えるんじゃねぇのか?」

千早「プロデューサー、私……ごめんなさい。……そうね、今のままでは自分が歌いたいだけになってしまうもの……。そうじゃないの、わかってたのに……独りよがりで……」

如月は嗚咽をもらし、きれいな瞳からは涙がこぼれはじめる。

俺は如月の肩を掴み目線を合わせる。

P「よかった。わかってくれたみたいで、思い出してくれたみたいで……」

千早「……プロデューサー……ごめんなさい……私、酷いこと……」

P「いやいいんだ。俺だって酷いこと言ったな。ごめんな」

如月は俺の左肩に顔を埋めて、右腕と左肩をきゅっと握っていた。

落ち着くまでしばらくそうしたままだった。



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