過去ログ - 乃々「ここ、どこなんですか……」
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16:名無しNIPPER[saga]
2015/04/12(日) 00:24:32.09 ID:gs2y2Pp50
あまりにも興奮していた自分が急に恥ずかしくなった乃々は、顔を赤くしながらギルバートの自分の状況を説明する。
そして返ってきた答えは残念ながら彼女にとって良いものではなかったのだった。
ギルバート「……うーん、どうやら君の言う外と私の言う外では相当に違いがあるようだ……ゴホッゴホッ。すまないね、
力になれなくて……」
乃々「あぅ……そんな、こちらこそ……」
冷静に考えてみればあの不可思議な空間にいる老人が分からないことが市街にいる一般市民に分かるはずもなく、外の世界と
いうのもこのヤーナム市街の外ということを言っているはずだったのである。それでも一瞬でも外に帰れる希望が見えた乃々を
落ち込ませるには十分で、街並みを見て得た感動はどこへやら、乃々は再び泣きそうな表情になりながらも会話を続ける。
乃々「で、ではせめて、なにか調べ物が出来そうな場所なんてないですか……」
ギルバート「ゴホッ、君のような若い子がこの夜に外を出歩くのは心配だが……けれど、そうだね。こんな不思議な現象に
ついてなら、大聖堂にいる人間ならなにか分かるかもしれないね」
乃々「大聖堂、ですか?」
ギルバート「ああ、道なりに行けばたどり着くこの市街の大橋を渡った先には聖堂街と呼ばれる場所があって、
そこの本拠地が大聖堂だ……ゴホッ」
新たな手がかりを手に入れた乃々は、目の前の灯りを見ながら思案する。ここにいれば何があってもすぐにゲールマンの
いる場所に戻ることが出来るが、自分のいた元の世界へ戻る手がかりを探すためには先に進むしか無い。危険と安全を
秤にかけてやはりこの場へ留まろうと決意しかけた乃々であったが、ある音が彼女の決意を打ち壊す。
乃々(……? 今何か)
最初は空耳かと思った乃々であったが耳を澄ませて見ると確かに聞こえるのだ。「オギャーオギャー」と泣く赤ん坊の声が。
乃々「赤ちゃんが、泣いてる……?」
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