過去ログ - 乃々「ここ、どこなんですか……」
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24:名無しNIPPER[saga]
2015/04/12(日) 00:31:16.37 ID:gs2y2Pp50

階段を駆け上り一息つこうとした乃々は、けれど執念深く追いかけてきた肉の爛れた犬達に追い立てられ、そのまま
反対方向にあった階段を駆け下りて逃げる。その先は多少広い空き地となっており、ぱっと見ただけでは完全に他の
道がなくなっている袋小路になっているのだった。

乃々「しま……」

振り返って駆け下りてきた階段に戻ろうとする乃々ではあったが、グロデスクな姿で牙をむき出しにして追いかけくる
犬達が完全に退路を塞ぐ形で待ち構えており、もはやそれも叶わない。

乃々「嘘……」

肉の爛れた犬1「RRUUUUU……」

肉の爛れた犬2「SHIIIII……」

あのおぞましい牙で噛み付かれたら、乃々などひとたまりもないのは考えなくても分かる。自分が貪り食われる光景が
頭によぎった乃々は、しかし追い込まれたことでやっと手にした武器の感触を思い出す。

乃々「うぅ……や、やるしか、ないんですか……」

犬に注意を向けながら辺りをもう一度見回した乃々は、左の段差から落ちないようにすることを心に決める。先ほど
誤って落ちた場所よりも遥かに高いうえ、下は逃げてきた群衆が集まっている広場。落ちたら今度こそ命はないだろう。

乃々「こ、こうなったら……こないで欲しいですけど……来るなら来てみろ……!」

肉の爛れた犬1「GRUUUUA!!」

ツアーの狩人役の練習を思い出し、今だけはその役を演じきることでこの場を凌ぐ力を呼び起こした乃々は、
飛びかかってきた1体に向けて銃口を合わせて引き金を引く。
特殊な作り方をされたゲールマンの銃は、装填された水銀弾を分解すると銃口から散弾として発射し、無数の小さな弾丸は
呆気なく犬の体を吹き飛ばす。



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