過去ログ - 【ダンガンロンパ】ダンロンでほのぼのと薔薇薔薇する
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21: ◆AZbDPlV/MM[sage saga]
2015/05/25(月) 00:16:06.00 ID:C0tl3WaY0
 どうみてもなんでもないワケがないのに、とっさにそう答える。不二咲は納得していない表情で、しかし、俺がなんでもないと答えたので引き下がる。
 言えるワケがない。不二咲が原因で自分がおかしくなっているなんて。

日向 「本当になんでもない……なあ不二咲…お前の名前をどこかで見たか聞いたかをして知っている気がするんだけど……」

 なんでもないと念をおしてから、気になっていたことへと話を逸らす。不二咲のこと。なぜ聞き覚えがある気がするのかについてだ。もしかしたら何かのメディアで取り上げられているのかもしれない。となれば、不二咲は有名人ということになる。

不二咲 「え? 本当? 日向君はPCに興味がある人?」

日向 「PC? 興味があるかないかでいえば、そこまでではないかな。使えるならいいくらいで」

不二咲 「そうなんだ。前にパソコン雑誌のインタビューを受けたことあったから、それかなって思ったんだけど」

日向 「雑誌のインタビュー? 不二咲はパソコンに強いのか?」

不二咲 「うーん…それで一応《希望ヶ峰学園》に通ってるんだけど……」

日向 「……《希望ヶ峰学園》?」

 《希望ヶ峰学園》その言葉に一瞬、俺の思考が停止する。

不二咲 「うん。あ、そっか。お互いの高校の話はしてなかったよね」

不二咲 「僕、今は編入して《希望ヶ峰学園》で《超高校級のプログラマー》として通っているんだ」

 《希望ヶ峰学園》その学園は高校生でありながら、その枠を超えた一流の才能を備えた現役の高校生をスカウトし招き入れる、政府公認の超特権的の学園。俺が才能を求める理由。俺はその学園に憧れ、その学園の一員、生徒になりたかったからだ。
 そうか…思い出した。今年の入学生の中に、不二咲の名前が挙がっていたことを。
 つまり、不二咲は誰もが認める才能を持っているということ。俺なんかとは違う、特別な人間だということ。目の前に自分がなりたかった、憧れている存在がいる。

不二咲 「日向君はどこに通ってるの?」

 不二咲が俺に質問する。でも、俺は答えることができない。
 何もない俺が諦めきれずに、悪あがきも同然にすがり付いたのは――
 
日向 「予備学科…高い入学金を積めば誰でも入れる……」

不二咲 「予備学科?」

日向 「《希望ヶ峰学園》の予備学科。不二咲本科とは違う、その辺の高校となんら変わりない場所…俺はそこにいる」

 先ほどまでの穏やかだったはずの心中に、焦燥感が生まれている。俺が不二咲と同じこの場所にいることが、恥ずかしく、胸の辺りに鉛があるかのように重く感じる。

不二咲 「《希望ヶ峰学園》に予備学科があるの?」

 本科の人間は予備学科の存在を知らないのか。

日向 「俺は本科の希望ヶ峰に入りたくて、才能が欲しかったんだ」

不二咲 「そうだったんだ……」

日向 「……笑うか? 本科に選ばれたお前は、こんな惨めな俺を」

 自分でも解る。不二咲は悪くないのに、言葉に語気に棘があることを。余計に恥ずかしくなってくる。
 
不二咲 「笑わないよ。キミが才能を欲しがる理由が理由だから……そこにいる僕は何も言えない……」

 不二咲は唇を軽く噛んで、苦しそうにうつむいた。
 馬鹿か…俺。不二咲を責めるようなマネして……俺のことを無条件に、真剣に考えてくれてるような底抜けに優しくて良いヤツなのに……。
 ついさっきまで、気にかけなきゃならないって思ってたじゃないか。

日向 「ごめん…不二咲には関係ないのに、当たるような言い方して」

不二咲 「ううん」

日向 「……俺に無理して付き合ってくれなくてもいいから」

不二咲 「……日向君の目標は、あくまでも《希望ヶ峰学園》だけで、才能を探すことが今は必要ないのだと思うなら、僕の手助けは要らない…よね」

不二咲 「でも、それとは関係なく、自分の才能を見つけたいっていうなら、僕は手伝いたい…僕もキミの才能を見たいんだ」

日向 「……」


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