過去ログ - 高垣楓「一線を越えて」
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22:名無しNIPPER[saga]
2015/04/12(日) 21:40:12.44 ID:HxMRahMLo
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 「……休暇で温泉旅館に向かったと聞いていましたが」

 「…………」

 「こんにちは」

陽が昇りきった頃、私服のまま高垣さんを事務所へと連れて来た。
冬だというのにざる蕎麦を啜っていたちひろさんが、俺達二人を珍獣でも見るかのような目で出迎えてくれる。

 「えーとですね。聞きたい事が色々あるんですが、一つずつお訊ねしましょうか」

 「はい」

 「その顔の傷は」

 「言えません」

言えば死んでしまう、色々な意味で。

 「何でそんなにお酒くさいんですか」

 「覚えてません」

頭がまだズキズキと痛む。

 「何故モデルの高垣楓さんがここに?」

 「え、そんな有名だったんですか高垣さん」

 「さぁ、どうなんでしょう……」

 「まだ話の途中ですが」

 「すみません」

ちひろさんに逆らうな。
事務所に入って、先輩から一番最初に教わった事を思い出した。


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