過去ログ - アストルフォ「ボクがジークを幸せにするんだ!」
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25: ◆BAKEWEHPok[saga]
2015/04/23(木) 22:58:35.87 ID:YUQ4sy2Zo
「…………ボクはキミを幸せにしたいって言ってたけど、本当はボクがジークと幸せに
 なりたかったのかもしれないね………………」

俯きため息をついて

「やっぱり……ジークに逢いたいなぁ…………」

と、そこまで独りごちてから顔をあげた。

「……そうだよ逢いたいんだ」

そう、ジークが行ってしまってからは言葉に出していなかった。
何故今まで言わなかったのか。気づいていなかったとでもいうのか。
それとも無意識に諦めてしまっていたのか。
そんな風に俯き沈んでいた表情に彩りが満ち、瞳に情熱が宿った。

「遠い世界に聖杯とジークフリートの心臓と令呪の力でジークは行ったんだ。
 だったらそれに匹敵するぐらいの魔力や魔術師がいれば……」

ジークが起こした奇跡はあらゆる条件が揃ってのこと。
そのうちの一つを得る事すら凡百の魔術師では生涯を賭けても難しいだろう。
もちろんアストルフォにはそんな魔術師を手に入れる当ても知識も何も無い。

「それがなんだってんだ! もーボクのバカバカバカ! 悩む必要なんてなかった!
 別世界がなんだって言うんだよ! ボクはお空の月にだって行ったんだぞ!」

無意識のうちに不可能なことだと諦めていた行為は言葉に発する事でただの手段へと変わる。
立ち上がりだっと駆け出し、ヒポグリフもかくやという速さで目標の部屋へと突入する。

「な、な、な……ってお前かよライダー!」

どがしゃーんと白い木のドアを張り倒した先にいるのは旅支度を整えているカウレスだ。
行き先はもちろんのこと英国の時計塔だ。
ユグドミレニアの敗戦における人質としての役割がカウレスにはあった。

「ボクも時計塔に行くよ! ジークに逢いに行くんだ!」
「はっ? お前何を言って……」
「だからージークが行っちゃったんだから逢いに行く方法がいるんだよ。
 魔術師がいっぱいいる時計塔なら何か見つかるかもしれないでしょ」
「んな無茶な。別の世界にアイツは行ったんだろ。別世界横断なんて魔術じゃなくて魔法の領域―――」

そこまで言った所でカウレスは言葉を噤み考えこむ。
何かあるのかとアストルフォが迫る。


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