10:チビ、デブ、ハゲ[saga]
2015/04/15(水) 22:42:50.96 ID:0Yqyui5Eo
僕が高校二年生になったとき、彼女は同じ高校の一年生として入学してきた。
彼女が入学したときにはその容姿から、ものすごい美人がいるぞ、と噂になり、僕の耳にまで届いてきた。
うらなりなんて渾名を甘んじて受け入れているような僕であったが、そこは花の高校生ではあったので、友人と連れ立ってそのご尊顔を拝みに行ったりしたものだった。
初めて見た彼女は長い絹のような黒髪に、白磁のような肌。
噂に違わぬ美人であった。
かと言って、美人だなと思いはしても彼女に対して淡い恋心を抱くようなことはなかった。
短身痩躯な、つまりはチビガリな自己を省みて、どうせ自分には釣り合わないと考えたわけではない。
僕にとって彼女は、あの美術館に有名な絵が飾られているぞ、あの動物園に珍種の動物がいるぞ、といったようなものであり、その価値、この場合は彼女の美しさは大いに認めるものの、それ以上ではなかったのだ。
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