13:チビ、デブ、ハゲ[saga]
2015/04/15(水) 22:45:03.35 ID:0Yqyui5Eo
怯えて丸まっている他の子と違い、彼女はすっと背筋を伸ばし、教師の怒鳴り声の間隙に、「私たちじゃありません」と真っ向から反論していた。
それを聞いた教師は、証拠がある云々とますます怒声を張り上げるが、彼女がそれに動じる様子はなかった。
やっていないことを只そう言っているだけなのだが、その凛とした立ち姿は、古来より揺るがず立ち続ける大木のような、そんなしっかりとした芯を感じさせた。
そのとき初めて自覚したのだが、どうやら僕はそういった確たる自分を感じさせるものに弱いようで、すっかり彼女に心を奪われてしまった。
だがそのまま見惚れているわけにもいかず、慌ててその喧騒の中に割って入り、昼間に脱走者を見かけたこと、それが三年生で、彼女たちではなかったことを伝えた。
それを聞いてもなまはげは、お前が見ていないタイミングで抜け出したんじゃないか、そいつらはコンビニの袋を持っていたぞ、と疑っていた。
そう言われると僕も返しようが無く困っていると、怯えていた一人が思い出して財布からコンビニのレシートを取り出して僕に見せてきた。
そこには朝の、通学中の時刻が打刻されていた。
28Res/13.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。