7: ◆XmxU5oRmnc
2015/04/16(木) 16:18:25.75 ID:dpPJnMuC0
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その日は、久しぶりにTV出演の日だった。
私は既に十六歳になっていた。
そうなると昔とは求められる『子ども像』も変わっていたけれど、『理想的な十六歳』を演じる程度の演技力は備わっていたので問題なかった。
大人が言うままに、求められる姿を。やることは、いつもと同じだ。モデルの時も、子役の時も。やることは大して変わらない。求められる姿を演じるだけだ。
共演者は……といつものように読み上げられる。
もう知っているけれど。万が一知らない人が居たならば、その人について調べておかなければならない。
その人があまり有名でなくとも、いやむしろ、有名でない時の方が、『知っている』ということは非常に大きい。
業界での噂……まで調べることは私個人では難しいので知らないことも多いが、表面的なことだけでも、『知っている』ということは有益なのだ。
こういった姿勢は、ひょっとしたら『子どもらしくない』と思われるかもしれないが、私が演じているのは『礼儀正しい良い子』だ。
十六歳になってもなお昔の純粋さを保った少女。
真面目過ぎて空回りすることもあるような、普段はしっかりしている、そんな子ども。
だから、こういった姿勢を知られたとしても、私の名前が落ちることはない。私を応援してくれる人たちを幻滅させることはないし、迷惑をかけることはないのだ。
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