過去ログ - 恭子「宮永を監禁してもうた……」
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177:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 18:43:52.03 ID:5ACXQpKo0

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暗くなった部屋に咲の姿はなかった。

開けた自室の扉に寄りかかったまま、
恭子はずるずるとその場にしゃがみ込んだ。

恭子「当たり前のこと、やんな……」

消えた咲の鞄と靴が、
これが幻ではないと映し出す。

さらってきたこと自体が幻だった・・・

そんな感覚に一瞬囚われるも、二人分の寿司が目に映る。
そのうちの一つは半分ほど中身が減っていた。
それが先ほどまで咲がこの部屋にいた事を示している。

恭子はのろのろと起き上がり、
咲が残した寿司を一つ拾いあげた。

恭子(宮永はホンマお寿司が好きやったな……)

美味しそうに食べている姿に何度魅入られたことか。
恭子は小さく笑った。

摘み上げる指先にシャリが挟まる。
乾いた米粒。

どれくらいこの部屋で自分を待っていたのだろう。
今日だけじゃない。
この部屋で、この2週間何もしないで、ただじっと・・・

いつ帰ってくるかも解らない自分を待ち続けた咲。
そんなに心細かっただろうか。

いつまでたっても口数こそ増えはしなかった。
だが、自分を見る瞳が段々と穏やかなものになっていっている、
そんな感覚はあった。


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