過去ログ - 八幡「メガネにするか、コンタクトにするか」
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37:1[saga]
2015/04/17(金) 13:30:13.58 ID:s/1pW2mHo
「と、とにかく安心しなさい。私達がちゃんと守ります」

「うんうん、だからヒッキーは安心してこの指定場所に向かっていいからね!」

珍しいものが見られたが大丈夫なんだろうか。雪ノ下がここまで言うなら、俺は信じるしかない。しかし信じるね、一年前の俺には縁がないどころか存在すら危ぶまれるレベル。そういえば数年前に同じ様なことを言ってた内閣総理大臣がいたな。trust meだったっけ。
以下略



38:1[saga]
2015/04/17(金) 13:30:46.72 ID:s/1pW2mHo
「無難な答えとしては数パターンあるけれど、由比ヶ浜さんならどうするかしら」

「やっぱり、他に好きな人がいるとか、受験で今は付き合うのは考えられないとかが良いと思うよ!」

「セオリーかつ無難だな」
以下略



39:1[saga]
2015/04/17(金) 13:31:14.12 ID:s/1pW2mHo
「具体的には、そうね」

すると雪ノ下が俺の方を見て距離を詰める。えっと、なんの御用でしょうか。

「比企谷君の場合はある程度知っているから確認しないけれど、どんな人間なのか、長所、短所などを申告してもらうかしら。その上で私が引っかかるところを答えて貰って詰め寄ると相手が何も言えなくなって去っていくわね」
以下略



40:1[saga]
2015/04/17(金) 13:31:54.25 ID:s/1pW2mHo
「ちゃんと相手を選んで発言するから大丈夫よ。こういう事は大抵自分に自信がある人間にのみ伝えるわ」

お前には俺のどこに自信があるように見えるのかと、その辺ハッキリさせる必要があると思います。

さて、対策は何となくなりそうだが残りについてはまた今度だそうだ。
以下略



41:1[saga]
2015/04/17(金) 13:32:28.67 ID:s/1pW2mHo
そして当日。必要以上にビビっていないのは、対策のおかげか二人の後ろ盾か。

待ち合わせ場所に選ばれたのは、放課後の食堂だ。確かに人も少なくてありがたいのだが、周りから丸見えなので一刻も早く終わってほしい気持ちが強い。

どうせならイタズラのほうが気が楽かもしれん。
以下略



42:1[saga]
2015/04/17(金) 13:32:57.51 ID:s/1pW2mHo
「あ、あの!」

「手紙の送り主?」

「は、はい!そうです」
以下略



43:1[saga]
2015/04/17(金) 13:33:32.26 ID:s/1pW2mHo
「あの、私比企谷先輩の事、かっこいいなって、その、クリスマス会私も見てました。幼稚園の子どもや小学生が出ておじいさんやおばあさんも喜んで、見てる私も楽しかったです。企画が生徒会って聞いたんですが、比企谷先輩が色々頑張って動いてたと聞いてきっと凄い人なんだって思って……」

嬉しさと恥ずかしさがあった。同時に彼女の強さと言葉に射抜かれるような鈍さが絡みつく。

「だから、最近噂に聞いた人が比企谷先輩って聞いて、その、どうしても気になって」
以下略



44:1[saga]
2015/04/17(金) 13:34:09.21 ID:s/1pW2mHo
「お、俺は」

言葉が続かない。

「俺は……」
以下略



45:1[saga]
2015/04/17(金) 13:34:37.37 ID:s/1pW2mHo
彼女はそう告げると、足早にその場を去った。

しばらく、そのまま時間が過ぎた。今はリノリウムの床しか見えない。体は俺の意を介すことなく。声を出すことも怪しい。

そのままの姿勢で立ち尽くす俺の前に、物悲しく柔らかい声が耳を打つ。
以下略



46:1[saga]
2015/04/17(金) 13:35:05.40 ID:s/1pW2mHo
俺には荷が重すぎた。こんなハズじゃなかった。浮かれた気持ちはなかったハズだった。真面目に答えようとした。彼女はどんな気持ちだったのだろう。今日という日をどんな想いで迎えたのだろう。振り絞って踏み出した先にある希望を掴もうとしたはずだ。それでも俺の言葉が断ち切った。報われないなんて、あんまりだろ。

「比企谷君」

凛とした声が食堂に響く。
以下略



47:1[saga]
2015/04/17(金) 13:35:36.44 ID:s/1pW2mHo
家に着くと真っ先に自室のベットに倒れ込んだ。頭が回らない。耳鳴りがする。何の音も聞こえない。

世界に俺一人だけ取り残された気分だ。着替えることも、寝ることもできない。

いつまでそうしていただろう。十分、三十分、ほんの一、二分なのかもしれない。時間の感覚が分からない。
以下略



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