15:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:37:59.26 ID:G1+uk2jaO
これでようやく子守りも終わりか、などと安堵していると彼女はとんでもないことを言い出した。
「ねえ、おかあさん。わたしが結婚しようねって言ったら、良いよって頷いてくれたよ」
僕は慌てて首を左右に振りつつ、必死に否定する。
16:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:38:37.12 ID:G1+uk2jaO
「さ、そろそろ帰りましょうか」
母親の言葉に彼女は不満そうだ。
「えー、もっと一緒にいたいよ」
17:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:39:32.41 ID:G1+uk2jaO
手を振って二人を見送った後、僕は定位置に腰を下ろし、小さくため息をついた。
結婚、ね。
幼い彼女の、幼い言葉だということはわかっている。
18:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:40:16.88 ID:G1+uk2jaO
大人になるにつれ、皆わかるのだ。
自分には僕なんかよりも、もっとふさわしい相手がいるんだってことを。
でも彼女の純粋な眼差しを見るたびにこうも思うのだ。
19:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:41:55.93 ID:G1+uk2jaO
それからも彼女は毎週末に僕に会いに来た。
特段何かをするわけでもない。
嬉しそうに話す彼女の声に耳を傾けたり、にらめっこをしたり。
20:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:42:30.32 ID:G1+uk2jaO
そしてやがて時が経ち、毎週のように僕に会いに来ていたのが月に一度となり、彼女は帰り際に駄々をこねなくなった。
また時が経ち、何ヵ月に一度会いに来るかどうかになって、彼女がばいばいと手を振らずに帰ったのを最後に、彼女が僕に会いに来ることはなくなった。
21:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:43:05.03 ID:G1+uk2jaO
あれからどのくらい過ぎただろうか。
ふと視線を上げると、こちらに向かって歩いてくる女性がいた。
すっかり成長しているが、僕にはわかる。
22:ゴリラ、幼女、大学[saga]
2015/04/17(金) 21:43:36.64 ID:G1+uk2jaO
彼女は僕に気づき、隣の男性に一度笑いかけてから、「おーい」と手を振ってきた。
昔のように、笑顔で手を振る彼女。
特別彼女が他の子と違っていたわけではない。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/17(金) 21:45:13.66 ID:1M2RBhsjo
切ねえな
ハゲデブチビから貴方のSS読んでるけど本当に纏めるのが上手くて感動する
24:名無しNIPPER[saga]
2015/04/17(金) 22:12:02.76 ID:G1+uk2jaO
ありがとうございます。
一年ぶりくらいだったんですが、なんとかまとめられて良かったです。
またお題を募集したらお願いします。
25:名無しNIPPER[sage]
2015/04/17(金) 22:37:01.64 ID:1M2RBhsjo
一年ぶりって事はこの前の人とは別人か
しかし皆纏めるの上手いよね尊敬するわ
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