過去ログ - 魔法使い「・・・何をやってるんですか?」
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69:ルイカ ◆Ub2yP6NyRs[saga]
2015/05/31(日) 19:48:48.15 ID:QpXQgMVH0
月明かりに照らされた何匹もの狼が、二人を静かに取り囲む。
その目はどれも殺気を宿しており、身のこなしは鋭く、刃のようであった。
しかし、二人はいたって落ち着いていた。
戦士「・・・十匹、か。」
戦士が、冷静に敵の数を確認する。
魔法使い「この程度なら、楽勝ですね。」
チロリと舌をちらつかせて笑いながら、魔法使いが呟く。
女性にさえ見間違われる美貌がより引き立つ残忍な笑みは、相棒の戦士でさえもゾッとしてしまう。
魔法使い「防御魔法、発動します。」
ブゥ〜ン
低い音をたてて、防御魔法が発動する。しかし、それは二人に対してのものではない。防御の対象は、畑。あくまで狼から畑を守る依頼であるので、その辺りはしっかりしている。
だが、相手は殺る気満々の狼。普通、彼らに対して自身に防御魔法をかけずに挑むのは、あまりに無謀な選択であった。
が、しかし。
以前、ある旅人がそのことを指摘したところ、魔法使いは不敵に笑いながら言った。
魔法使い「戦士なら全て避けきると僕は信じてますし、僕にとってもMPの無駄使いにしかなりません。だから大抵、防御魔法はかけないんです。」
自身を守る防御魔法を、彼は「MPの無駄使い」と言い切ったのだ。
それを「底無しの自信だ」「あいつらはいつか死ぬだろう」と言う者もいるだろう。が、もし今の戦いをそんな人々が見ていたのなら、その考えを訂正せざるおえないだろう。


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