過去ログ - 【Fate】カルナ「安価で聖杯戦争―――是非もなし」 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】カルナ「安価で聖杯戦争―――是非もなし」

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826: ◆.thx41UQwK3a[saga]
2015/05/25(月) 21:25:22.63 ID:SWXrdbI9o

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　　　　　　　　 | 一人の女が居た。その女の名、クラウディアと言う。　 |
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口調の変質。語りの変質。声音の変質。世界が塗り替わったかのような、錯覚が有る。

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　　　　　　　　 |　　その女は生涯を私に捧げ、間違いと拒絶してきた私の本質に触れた。
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　　　　　　　　 |　　歪かつ狂っていた私の本質を知って、尚、女は私が間違いではないと祈り、私を愛し続けた。
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　　　　　　　　 |　　最後の最後に、女が誰よりも求めていた私から零れる『献身』を幻視して。
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　　　　　　　　 |　　間もなくして死に落ちる髑髏。去来する感情は、女を手に掛けられなかった『悔しみ』
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……聞き入るような語りだった。世界は一瞬にして、語り手のものに染め上げられたのだ。
ワインが有れば、この語りを肴とすれば、不味いもので有っても美味いものに昇華出来る気さえする。

聞き惚れたかのように、男の語りを耳に収めていく。

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