過去ログ - 【Fate】カルナ「安価で聖杯戦争―――是非もなし」 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】カルナ「安価で聖杯戦争―――是非もなし」

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970: ◆.thx41UQwK3a[saga]
2015/05/30(土) 10:28:20.69 ID:TpWOh5iJo

「時臣師とは昼に限って別行動です」
胸の内に広がる冷たくヌメリと広がる、黒く昏い意志からは努めて眼を背けてそう続けた。

「ちょっと綺礼！幾らお父様が強いからって！優雅だからって！手を抜いてる訳じゃないでしょうね！」
自らの父を誇りと思ってるからがために零れる攻める様な言葉に、私は苦笑を浮かべた。

時臣師は、娘とは良き信頼関係を結べてるようだ。

「こら凜！綺礼さんに失礼でしょ！」
それを碧めるように、遠坂葵は口を荒らげて凜を叱責する。凜はそれでも不服なのか、ジトリとした目で此方を睨む。

「大丈夫だよ、凜。時臣師の身に何かが有れば、即座に私は駆けつける」

「当然！」と憮然に言い放つ。何とも気の強い娘だ。将来は、さぞかし跳ねっ返りの強い女性になるだろう。
同時に、その強かさは×××にも見習って欲しいものだと思う。

「凜には私から言っておきますから…でも、綺礼さん。凜がこう振る舞えるのは、貴方の前だけなんですよ？」
「ちょ、ちょっとお母様！」

思わぬ反撃に、頬を赤らめる凜に、クスリと夫と同じような微笑を口元に浮かべる遠坂葵。

「嫌なら、気を付けなさい凜？」
「わ、分かりました…」

ペコリと頭を下げて、凜は再び草原に飛び出していった。続くように遠坂葵も、日常の中に溶けていく。
私は、それを見送ると―――気を強く引き締めながら、公園を後にする。

眼を閉じ、意識を深い底に沈める。感じる敵意を辿りながら、いつどこで誰が迫ろうとも良いように、意識を研ぎ澄ませる。

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