過去ログ - インデックス「――――――あなたと、私」
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8:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:04:13.34 ID:YJZuZ5vJ0
『警察は相次ぐ一連の事件に関連性はないとしながらも、平均的な家庭を取り巻く社会的問題と切り離して考えるのも難しいとの見解を発表しました』

インデックスは何かを言おうとして、だが何も言えずに。
ただ黙って白紙の無題の本を本棚へと戻して歩き、階段を降り、扉を開けた。
やはり同じ通路が延びていたが、それにはすぐに気付いた。

「……そこにいるの?」

歩く。足音はこつこつ、こつこつ、こつこつ、と刻まれていた。
インデックスの足音と重なるように、もう一つの足音がどこからか刻まれている。

『かーえーるーのーうーたーがー』

スピーカーから再びあの声が流れ始める。
歩いていると、本棚が移動して一つのドアが現れていることに気付く。

『きーこーえーてーくーるーよー』

ドアを開けて中へと入る。
その瞬間、インデックスの鼻腔をむせ返るような嫌な臭いが支配した。
何か大きなものが天井から吊るされていた。それは生き物だった。

「ひつ、じ……?」

思わず呆然とした様子で呟いた。
羊が足を鎖で固定され、天井から吊るされその血を床へぽたぽたと垂らしていた。
開かれた本がその落ちてくる血を受けるように置かれていて、羊の血をインクにして何かが白紙のページに浮かび上がっていた。


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