過去ログ - やはりわたしの青春ラブコメはまちがっている。
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◆hFO8AUe7/Y
[saga]
2015/04/23(木) 18:45:51.91 ID:+4eN97YB0
序章 だから一色いろはは幸せを願う。
「あのね、ヒッキー……」
「……なんだ?」
「——えっ……あ、ちゃんと、聞いてくれるんだ……」
「ん……ああ……」
「そっ、か……ありがと」
「いいから。その、なんか、言いたいことあんだろ? ちゃんと聞いてるから、言えよ」
「う、うん……えへへ。あ、あのね……あたしさ、ヒッキーのこと……好き。ずっと、好きだった」
「そうか……」
え、え、ひゃぁぁあ、なになに、この状況!
先輩見つけたから近寄ってみれば結衣先輩が告白してるとか、誰が予想できるんですか!
いやいやいや……ていうか、やっぱり結衣先輩って先輩のこと好きだったのか……まあ、どう考えてもそうだよなぁ。
「うん、そうだ! あ、と、別に返事はいつでもいいからね……? あたしから言っといてあれだけど、その、あんまり覚悟とかできてなかったりする、から」
あー……雰囲気に押された感じですか。
まあ、先輩が結衣先輩と一緒に帰るのって稀だしなぁ。
デートに誘おうにも休日は家から出ないし。
「なんだそれ……いや、そのだな、返事は今、言わせてもらう」
おぉっ!
先輩が珍しく男らしい……。
でも本当、変わったなぁ先輩。
俺は、本物が欲しい
涙声で、かすれた情けない声で。
怯えるように歯の根をカチカチと鳴らしたまま、必死に紡がれたその言葉は今でもわたしの耳に残っていた。
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