過去ログ - やはりわたしの青春ラブコメはまちがっている。
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◆hFO8AUe7/Y
[saga]
2015/04/23(木) 19:15:06.64 ID:+4eN97YB0
第一章 きっと、誰しもそれらしさを探している。
「お疲れ様ですー!」
からりと戸を開き、軽い会釈とともに奉仕部の部室へ入り込む。
奥の雪ノ下先輩、真ん中の結衣先輩、そして最後に先輩へと目をやる。
「おー、いろはちゃん。やっはろー!」
最初に挨拶してくれたのは結衣先輩だった。
手を挙げてわたしの名前を呼んでくれた結衣先輩に手を振り返す。
「こんにちは」
雪ノ下先輩は、ふと、絵になる所作で顔を本からわたしに向け、薄い微笑みをたたえる。
「はい、こんにちはですー!」
元気よく挨拶を返し、一月ほど前に調子の良くなったヒーターの働きでぬくぬくとした室内をすたすたと歩く。
長机を挟んで先輩の向かいに当たる場所に座った。
「…………」
無言。
無言だこの人。
さっきちらりとわたしを見たのはなかったことにするらしい。
随分といい度胸だった。
「こーんにーちはー」
ふりふりと先輩と本の間で手を振る。
すると、先輩は面倒臭そうな面持ちをわたしに向け、渋々口を開いた。
「よう」
二文字。
たった二文字だ。
まあ、いつも通りな先輩だった。
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