過去ログ - やはりわたしの青春ラブコメはまちがっている。
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43: ◆hFO8AUe7/Y[saga]
2015/04/23(木) 19:27:50.85 ID:+4eN97YB0

 まくし立てるように告げ、荷物をまとめて足早に店を出た。

「あ……」

 小町ちゃんの合格祝いどうしよう……。
 まあいいや、直接渡したかったけど今度学校で先輩に渡そう。

 たったっと小走りでその場を去る。

 一分でも一秒でもとどまっていたくなかった。
 こんなぼろぼろの顔は見せたくなかった。
 潤んだ瞳を見れば、また先輩はあざといとか言って笑ってくれるんだろうけど、今はその言葉も聞きたくない。
 あざといなんて言われたら本当に涙がこぼれ落ちてしまいそうで。

 それは嫌だった。
 そんな本気の泣き顔なんて見られたくない。
 そしたらいくら先輩でも気づいてしまう。
 先輩が気づいてしまったら、もう、そこでこの関係は終わってしまうのだから。

 心中の想いが失われるだけならまだいい。
 それならまだ先輩のそばにいられる。
 それは矛盾しているのだろう。
 想いが失われたなら先輩のそばにいたいとも思わないはずなのだから。

 でも、いい。
 それはいい。
 好きじゃなくなっても嫌いになることはないから。
 好きじゃなくなれば失う怖さもどこかへ行ってくれるから。
 あるいはそれも矛盾しているのかもしれない。
 でも、それでいいんだ。

 とにかく、心中の想いが知られるのは避けたい。
 まだ一緒にいたい。
 デートができなくてもいいから。
 たまたま会って言葉を交わすくらいの仲でもいいから。



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