過去ログ - 響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」
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11: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/04/28(火) 21:18:10.24 ID:Vfj3ufUq0


「もう大丈夫だ、お嬢さん」

響鬼は顔のみを人のそれに戻し、呆然としていた少女に手を差し伸べる。

響は暫くどう対応すべきか分からなかった。だが、先程の彼の勇姿を思い出し、彼女はいきなり立ち上がり頭を下げた。

「お願いします、私を弟子にしてください・・・!」

「えぇ・・・?」

ヒビキは戸惑った。何度も人を助けてきたが、いきなりこんなことを言われるのは滅多にない。ましてや、こんな華奢な女の子には。

「ほぅ、そりゃなんでだい、お嬢さん?」

「・・・強くなりたいんです。仲間を二度と失わないために、強く・・・!」

ヒビキは少女の目を見た。

若いのに何度も視線をくぐり抜けてきた目をしている。そしてその目は真剣に強さを求める者のそれだった。

そんな少女を無碍に追い返すことなど、この男にはできなかった。

「そっか〜。と言っても鬼の修行は厳しいからなぁ・・・。まっ、とにかく今日は遅いし、ウチのテントに泊まってきな」

「はい・・・、ありがとうございます」

「そういえば、ちょうど面白いDVDももらったから、一緒に見よっか」

ヒビキは少女の頭を優しく撫でる。

「ありがとう・・・ございます」

少々頬を赤くしながら、響は呟いた。

「そう言えば、名前は?」

「私は、響です」

「奇遇だな。俺も同じ名前なんだよ。よろしく!」

シュッ。
指を振り、ヒビキは穏やかな笑顔を見せた。父性溢れる、暖かな笑顔だった。



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