過去ログ - 響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」
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15: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/04/28(火) 21:24:25.47 ID:Vfj3ufUq0



翌日から数日間、京介は渋々山中で響の訓練を始めた。

だが、京介は彼女をどう指導すべきか困惑していた。

嘗て彼がヒビキに師事した時のように基礎鍛錬から始めようとしたが、響はその華奢な見た目に反しあっさりとこなしてしまう。

階段の昇降も、マラソンも、全くと言っていいほど苦にする様子が見られなかった。寧ろ、鬼である自分をも超えかねないレベルでタフだった。並の特訓では鍛えることすらままならない。

かと言って鬼の技を教えるには早すぎるし、陰陽環を使わせるわけにもいかない。

嘗ての自分が痛い目を見た経験故か、京介は弟子の指導に慎重になっていた。

こういう時にこそ師であるヒビキに助言を仰ぎたかったが、そのヒビキは数日間留守にしているからそれさえもできない。

突然現れた弟子をどのように指導すべきものかと悩んでいると、息を上げながら階段の昇降を終えた響がこちらを見つめる。

「これを続ければ・・・、私も強くなれるんですか・・・?」

「さぁな・・・」

それは彼にも分からなかった。確かに自分は鍛え続けた末に鬼になれた。

だが、同じことをすれば誰でも鬼になれるわけではない。努力は勿論のこと、才能や運だって絡んでくる。

そもそも鍛えただけで誰でも鬼になれるのならば、鬼のシフト表に苦慮することもないし、裁鬼が過労で倒れることもない。なにより魔化魍など脅威ですらなくなるはずだ。



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