過去ログ - 響「・・・強くなりたい」 響鬼「よろしくっ、シュッ!」
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23: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/04/28(火) 21:37:57.46 ID:h8cyi6Gr0

やや離れた場所から、響たちは京介と蝕鬼の戦いを見守っていた。

彼女達も魔化魍には艤装の攻撃が通じないことを知っていた。この場は一歩下がり、鬼の戦いを見守るしかなかった。

強鬼は苦戦していた。彼もこんな敵を相手にするのは初めてだった。

「くっ・・・!」

あまりに巨大で、しかも俊敏。その口から湧き出る黒い溶解液を避け、攻撃をかわすのが精一杯だった。

音撃を打ち込もうにも、鈍重なバケガニと違ってこの怪物には隙がない。何より巨大すぎる。

どう対処しようかと頭を回転させ始めたその時だった。

「待たせたな、京介!」

ヒビキがターザンのように蔓を使い、蝕鬼の醜い面に雄叫びをあげながら思いっきりライダーキックを浴びせた。

「ナ、ナニィ・・・!?」

突然の攻撃に蝕鬼はバランスを崩し、倒れてしまう。

「ヒビキさん、遅いよ!」

華麗に着地した師匠に対し、強鬼は悪態を付いた。

「そう言うなって。ほらさ、ヒーローは遅れてやってくる、って言うじゃない?」

恐ろしく巨大な怪物が目の前にいるというのに、彼はいつもの飄々とした態度を崩さない。それだけこの男は余裕がある。

誰かを安心させるために。

そして自分が明日を生きるために。

響は想った。これが、明日夢の言うところの、心の強さなんだろう。

「今日はちょっと趣向を変えてみようか・・・!」

ヒビキは音叉を変身ヒロインのようにビシッと構え――本当はそのヒロインが言う台詞を叫びたかったが我慢した――、念を込めて音叉を鳴らして叫んだ。

「変身!」

キィィィン・・・。彼の叫びと共に、音叉の澄んだ音が鳴り響く。

ヒビキの身体は紫紺の業火に包まれ、紫色の鬼・響鬼へと変身した。


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