過去ログ - 【安価】真姫「色々な百合カップルの話? 何、この本?」
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49: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/04/29(水) 22:51:46.57 ID:g09fDxyh0
ペラ――



笑ったり。
泣いたり。
怒ったり。
子どもというのは本当に忙しい。

それに比べて、自分という人間は笑うのも下手であれば、笑わかせるのはもっと不慣れだ。
なのに、子どもを前にするとどうしてか喜んで欲しくてついつい性に合わないことをする。
どう考えても、子どもの感性など当の昔に忘れてしまっているのに、
なぜか同じ目線を探して話しかけている。なんでなんだろう。

小さな頃から、家は駄菓子屋を営んでいた。
この家はまるで時間が経っていないかのように、子どもを迎え入れる。
色々な子どもが来る。
大人もたまに来る。
適当にあしらうのが大方だが、毛並みの違うやつというのはどこでも一人いるものだ。
そいつは、なんとかマンとかいうテレビを見るためにウチの家に上がり込んで、
せん餅を食べ、見終わって満足したら帰る。私はたまにそいつを家まで送ってやって、
名残惜しそうにこちらに手を振るそいつに、曖昧に笑いかけてバイクを走らせる。

それが日課だったから、今日はお店を休んでしまったことをそいつがどう思っているか、
少し気になっている。

「……っしょ」

私は壁に手をついて、片足で立ち上がる。
意外と難しいものだ。
小さい頃に見たおばけの名前を思い出す。唐傘おばけ。一本足のやつだ。
すごい筋力だよな。今、考えると。
阿呆みたいなことをぼんやりと思い浮かべ、昔見た絵本のページを脳裏でパラパラとめくっていく。

片足でけんけんをすると、振動が足首に響いて激痛が走った。

「ッおお?!」

思わず叫ぶ。

「たまらんな……ッ」

2日前のことだ。
バイクで事故った。
前に吹っ飛んだ。
ヘルメットが割れた。
足首を捻挫した。
靭帯がお付き合いでどうにかくっついているような感じになった。
全く働く気のない足首を恨めしく思いながら、私は台所まで出てカップ麺を漁る。

「なんかあったかな……」


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