過去ログ - 八幡「人の評価なんて当てにならねえ」
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55:1 ◆JY8EwYSc26[saga]
2015/04/30(木) 06:03:41.04 ID:ecQ0BIE6o
声が震え弱弱しかった。俺の条件を真に受けたのだろう。震えたのは声だけではない。両腕で肩を抱くように支え、俺の目を見る瞳には力強さがあった。

「先輩の条件、お受けします」

「……わかった。葉山、終わったら行くから下で待ってろ」

心持ち、俺と一色を交互に見ると葉山は俺の横を通り過ぎる。

「信じるよ」

俺だけに聞こえる様に言うと葉山は扉を閉めて階段を降りていく。やがて足音が消えて俺と一色は改めて向かい合う。

風が吹いていた。囁くような静かな風が俺と一色の間を撫でるように通り過ぎる。

沈黙が続いた。一色は最初の一歩を踏み出そうとするがなかなか移すことはできない。形相には覚悟と絶望が混じっていた。何度も服に手をかけては戻る。

「一色」

「……ごめんなさい」

誰への謝罪なのかはわからない。葉山に宛てた物なのか、自分の行いに対する物なのか、俺への物なのか。


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