過去ログ - お題ください、ショートショートします
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7:マッチョ、メガネ、ビッグバン[saga]
2015/04/30(木) 00:29:55.76 ID:FqSE0XcJ0

「あ、あり、がと……」


こんな自分に話しかけてくれる彼女。

惚れた人に対して情けない姿を見せるのが恥ずかしくて、彼は起き上がりながらおずおずとハンカチを受け取った。

動きがぎこちないのが自分でも分かった。


「いつもの人たちでしょ? ひどいよね、ちょっと筋肉質なだけでいじめなんて……」

「う、うん……でも、僕が悪いんだ……こんな身体だし、ずっといじめられてたせいで性格だって」

「こら!」

「ぅえっ?!」

「自分なんて……とかって言うの禁止! 余計あいつらの思うつぼだよ? ホラ、もっと自信もって胸張って!」


明るく話しかけてくれることで、彼がどんなに救われているか彼女は知らない。

胸を張るとどうしても主張してくる大胸筋も、彼女の前でなら堂々として見せられるような気がした。


「その、ね」

「ん?」

「ありがとう、いつも」

「……へへ、いいってことよ! さ、帰りましょ?」


メガネで三つ編みで、ちょっとイモくさい彼女。

その内側から滲み出る優しさが、彼はたまらなく好きだった。


「ねぇ、ちょっとその大腿四頭筋触らせてよ!」

「ええちょ、恥ずかしいよ……!」

「いいからいいから」

「うわぁあ……」


彼女と並んで帰る道が、いつまでも続けばいいと思った。




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