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6:かずみマギカ、心臓、変態宴会芸[saga]
2015/04/30(木) 14:19:18.42 ID:FqSE0XcJ0

「か、かずみマギカ!!」


水を打ったように静まり返った場とは反対に、私の心臓はこれ以上ないくらい早鐘を打った。

皆の頭にはてなが浮かんでいるのがやけにはっきりと見えた。


頭はそれ以上思考することを拒むかのように同じワードを周回させる。

ざわ、ざわと少しずつ聞こえ始めたざわめきを聞き、私は他人事のようにぼうっとしていた。


やっちまった。

終りだ。

修復不能。

The end。


そんな不吉な言葉たちがぐるぐると頭を渦巻いて、もうどうしようもなく私を赤面させた。

死にたいと思ったが、死んでも恥は消えないのでやっぱり死にたくない。


こんな事ならもっと下ネタに走るべきだった。

もっと変態チックな、チープな、分かりやすいものにするべきだった。

自分の知っているもので勝負するべきだったのだ。


「何か変態宴会芸とか持ってないのかよ」


ああ、私の様ないかにも裏方の人間が何故、今日に限ってその申し出を受けてしまったのだろうか。


魔法少女まどか☆マギカの妹、かずみ☆マギカ。

そんな訳の分からない設定で衣装もなしに訳の分からないポーズをすれば、当然こうなる事は分かっていたはずなのに。


私の一世一代の一発芸は散った。

私など居ないかのように再び話に熱が入ってきた酒の場に、野となる事も山となる事も出来なかった私はぽつりと独りきりだった。


静まり返った心の中で、やはり心臓の音だけが大きく聞こえていた。


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