過去ログ - 【俺ガイル】比企谷八幡は変化を受け入れる -SS速報VIP

過去ログ - 【俺ガイル】比企谷八幡は変化を受け入れる

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445:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:29:59.48 ID:Fk2BaiAho
昼休みに結衣を呼び出した。

以前に結衣が俺に想いを伝えてくれた、中庭を過ぎた場所にある静かな木陰のベンチだ。

ここに来るまでの間は二人とも無言だった。

以下略

446:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:30:43.24 ID:Fk2BaiAho
「いきなりすまん、結衣…」

「う、ううん…。なんか怖い顔してるけど、なに…かな…」

「そ、そうか。怖い顔してるか…いや、緊張してるんだ…」

以下略

447:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:31:50.56 ID:Fk2BaiAho
「俺、すげぇ考えたんだけど、好きってのがなんなのか結局よくわかんなくて…」

「この好きって気持ちが本物なのかとか、偽物なのかとか、考えれば考えるほどわからなくなって…」

「うん…」

以下略

448:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:32:41.40 ID:Fk2BaiAho
「俺は結衣を、悲しませたくないけど、自覚なしに悲しませることも、きっとある。だから、せめて、俺の傍で悲しんでくれ。俺の傍に、ずっといて欲しいんだ」

息を吸い込む。

「だから、結衣。これからも、俺の傍に…俺の彼女になってくれ」

以下略

449:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:33:39.02 ID:Fk2BaiAho
今のは多分、結衣が自分へ向けて言った言葉。

意を決したように、静かに深呼吸をする。

「あたし、由比ヶ浜結衣は…ずっと前から、比企谷八幡君のことを見ていました。もし、よかったら…彼女に、してもらえますか」

以下略

450:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:34:26.56 ID:Fk2BaiAho
どちらからともなく手を伸ばす。

指先が触れ合う。

女の子特有の、冷たくて、柔らかくて、細い指が俺の指と絡み合う。

以下略

451:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:35:17.27 ID:Fk2BaiAho
「ヒッキーはさ、だいたい一人で頭の中でいっぱい考えて、思ってることと違うことやったり、言ったりだから…」

結衣は体ごと顔をこちらへ向ける。手は繋がったまま。

「ヒッキーの望んでること聞けて、嬉しいよ。たまにはそれで、いいんだよ。言いたいこととか、思ってることを、そのままあたしに聞かせて欲しいな…」

以下略

452:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:36:35.65 ID:Fk2BaiAho
涙が出そうだ。みっともないところを見せたくなくて、強く歯をくいしばる。

それでも耐えられそうになくて、顔が見えないように結衣の体を抱き寄せた。

右手は繋がったまま、左手で強く抱き締める。

以下略

453:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:37:19.54 ID:Fk2BaiAho
「俺は、今度こそ、ちゃんと選べたのかな…」

「うん…。ちゃんと、伝わったよ」

「そっか…」

以下略

454:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:38:11.63 ID:Fk2BaiAho
少しだけ季節は進み、三月ももうすぐ終わろうとしている。

四月から俺たちは三年生になり、新入生も入ってくる。

そしてその中には小町も、ついでに忌々しい毒虫も含まれている。

以下略

455:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/09(土) 15:39:13.31 ID:Fk2BaiAho
それから暫くの間、みんなの目が冷たかったり蔑んでいたり軽蔑していたり、それはそれは辛かった。いやなんだよあいつらの目…猛獣か暗殺者じゃないのあいつら。

奉仕部はと言えば、特に何も変わらない。いや、不思議なほどに変わっていない。

俺が結衣と付き合っていることは取り立てて隠したりはいないが、特に報告もしていない。

以下略

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