過去ログ - 透華「タイが曲がっていてよ」
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87:名無しNIPPER
2015/05/25(月) 00:17:07.07 ID:Si4whtEi0
咲「わあっ!」

突然皆の前に放り出された咲は困惑する。


練習に参加している生徒たちも同じようで、場がざわつきだす。


咲はその空気に耐えられず、うつむいてしまう。


久(だいぶ緊張しているみたいね。上級生ばかりだし無理もないか)


咲の手は震えていた。


誠子「じゃあ私とやろっか」

そんな様子を察して、誠子は咲に声をかける。


咲「えっ!でも誠子様は透華様と…」

誠子「平気さ。私は大役だから本番じゃお役御免だし」

誠子「咲ちゃんとペアを組んでも問題なし。さあっ」


誠子は咲に手を差し出し、練習が再開される。



ぎこちない動きで踊る咲の視界に、一人で音に合わせて優雅にステップを刻む透華が映る。


咲(わあ…)

誠子「よそ見しないっ」

咲「あっすみません!」


誠子「ふふ。透華が気になるみたいだね」

誠子は優しく問いかける。


咲「いえ…。ただ、私とはあまりに違うから…」


咲はもう一度透華に目をやる。

咲「っ!」

こちらを一瞥した透華と目が合い、咲は反射的に誠子の手を振り払う。


咲「あっ…あの!私忘れ物をしたので!失礼します!」

誠子「えっ!咲ちゃん!?」


咲は焦って挨拶を終えると、駆け足で体育館を後にした。






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