過去ログ - 京太郎「その片思いは八方塞がり」
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32: ◆3j.5pj2xjQ[saga]
2015/05/09(土) 21:42:06.55 ID:NDnGFJD7o

「あ、雷門!」


隣を歩いていた塞さんはそう言って赤い提灯を指さすとこちらを見て嬉しそうに笑った。その無邪気な笑顔についつい頬を緩ませながら「そうですね」と相槌を打つ。

雷門をくぐり、店を見る度に目を輝かせる塞さんと共に仲見世通りを歩いて行く。

途中、お土産に揚げおかきと手焼きせんべいを買った俺は先に次の店を見に行った塞さんを探すため辺りを見渡し、すぐ隣りの扇子の店に塞さんの後ろ姿を見つけた。


「塞さーん、お土産買えましたー」


そう声をかけて塞さんに近寄ると、俺に気付いた塞さんは俺の名を呼びながら手招きする。何だろうかと思いながら隣に立つと、塞さんは並べられた扇子のうちの一つを手に取るとそれを顔の前に運び口元を隠してこちらに顔を向けた。


「どう?」


そう尋ねる塞さんの姿は様になっておりどことなく艶やかな雰囲気にドキリとさせられる。


「す、すごく似合ってます」

「そうかな?ふふ、お世辞でも嬉しいよ。ありがと」


塞さんは緊張でぎこちなくなった俺の返事を聞いてニコリと笑うと手に取った扇子を元の場所に戻す。



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