過去ログ - 京太郎「その片思いは八方塞がり」
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51: ◆3j.5pj2xjQ[saga]
2015/05/11(月) 22:15:50.88 ID:T+nmJh3Xo
「でも、こんな高価なモノ……」
「気にしなくて大丈夫ですから」
「だ、だって今日初めて会ったんだよ?なのに……」
「塞さんが使う所を見たかったので、だから俺のためだと思って受け取ってください!」
「なっ」
申し訳ないと言って扇子を受け取るのを拒もうとする塞さんにそう言って無理矢理に扇子を押し付ける。扇子を受け取った塞さんは俺の言葉に唖然とし、しばらくして溜息を吐いた。
「もう……そんなこと言われたら断れないじゃん」
小さな声でそう呟くと扇子を広げる。扇子を複雑そうな面持ちでじっと見つめた後、塞さんは俯きがちになりながら俺の目を見て言った。
「あ、ありがと」
噂に聞く上目遣いの破壊力というものを初めて体感した瞬間だった。
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