過去ログ - 京太郎「その片思いは八方塞がり」
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85: ◆3j.5pj2xjQ[saga]
2015/05/15(金) 00:56:31.27 ID:wsuDbRQYo
その日の夜、京太郎は自室で一人考えていた。
自分は本当に強く成れるだろうか。
一人になって冷静に考えているとそんな不安が頭を過る。
いや、成れるかでは無く成るのだ。
臆病風に吹かれないよう自分に自分で言い聞かせる。
昨日までの京太郎だったらきっと弱い自分に負けてしまっていただろう。
だが今の京太郎は違う。
強くなって憧れの少女と付き合うという覚悟がある。
その覚悟は京太郎の中で火種となって小さいながらも確かに燃えていた。
目を閉じて今日のことを思い返す。
自分のことなど気にかけてなど居ない、そう思っていたあの竹井先輩があそこまで言ってくれた。
ならば自分もそれに応えねばなるまい。
そして目を閉じると瞼の裏に映し出されるのは何度思い出したかわからない憧れの少女の笑顔だ。
手を強く握り、京太郎は瞼を開くと窓の外の夜空を見上げる。
「俺、強くなってみせます。だから待っててください、塞さん」
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