過去ログ - 久「私について、皆が知っていること」
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6: ◆oGmB7HYQoA[saga]
2015/05/03(日) 02:08:40.44 ID:vvmhNUv40
【視点:染谷まこ】


清澄高校を卒業してからの久は、一気に遠い人になってしもうた。



久『じゃあまこも来年こっち来ればいいじゃない』

まこ「部活も店の手伝いもあるっちゅうに、あんたのとこみたいな難しい大学受からんわ」


しかも麻雀推薦もない。…仮に枠があったとしても、わしに回ってくるのかはわからんが。


久『私だって部活と学生議会しながら受験勉強したのよ?』

まこ「…だからって誰にでもできるわけじゃあなかろう」


気づいとらんかっただけで、最初からわしなんぞには手の届かない人間だったんじゃろうか。

…正直そうは思えん。まだちぃと荒れとった頃の久と、うちの店で出会って。同じ高校に入って、二人きりの麻雀部をやって。


まこ(…そして皆で、全国に行った)


振り返れば、夢のような時間じゃった。わしよりもあの大会に思い入れていた久なら、尚更じゃろう。


久『別に同じ学校じゃなくてもさ、東京には大学なんていくらでもあるのよ』


受話器からの声に、現実へ引き戻される。


まこ「ほ、ほうじゃな。でもわしゃあ、地元で十分じゃ」


それは本心じゃった。それどころか、進学はしないということも考えとった。…それに。


まこ「今はまだ、進路とか考えられないんよ」

まこ「和が抜けてもうて、ムロが入部してくれてもまだ団体戦には人数が足りん」

まこ「もし誰か入ってくれても、県予選で勝てるレベルにするのは骨が折れそうじゃけえのう」

久『今年はもっと新入部員が来ると思ったんだけどね…。前年度準優勝で、かえって敷居が高くなっちゃったのかしら』

まこ「ほうじゃのう」


それからは他愛のない話をしばらくして、時間が遅くなったから電話を切った。


まこ(そういえば今日も、全然自分の話はせんかったのう、久の奴は)





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