過去ログ - ジナコ「イリヤ?誰ッスか」白野「月編」桜「3スレ目です」
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560: ◆/5mzbmBbN2[saga]
2015/05/06(水) 16:54:29.33 ID:30aT8js00
ダン「……」

緑アーチャー「バカな、どうしてオレ達が押し負けた……!?」

緑アーチャー「地力も決意も旦那の方が上だっていうのに、どうして……!?」

決着はついた。

アーチャーの必殺技により、相手のアーチャーは敗れた。

それを決定づけるように、どこからか壁が現れて自分達と相手の間を遮った。

ダン「……いや、そうだったな。わしもまだまだ未熟だったようだ。 最後の最後で、自分の心を見誤った」

ダン「聖杯戦争において、意志の強さは二の次らしい。 ここでは意志の質が、前に進む力になる」

ダン「わしは軍人である事に疑問はなかったが……後悔は、あったようだ」

ダン「聖杯を求めるのは、亡くした妻を取り戻す為、か……なんと愚かな勘違いをしたものか」

ダン「わしは生涯を軍に捧げ、軍人として生きるため、冷徹な無個人性を良しとした」

ダン「そんな男が……軍人である事を捨て、今際の際に、個人の願いに固執したのだ」

ダン「今回だけは一人の男として戦いを挑む等と、そんな言葉をかざし……棚の奥にしまっていた、騎士の誇りを持ち出すとは」

ダン「……本当に愚かだ。わしは最後に、亡くしたものを取り戻したかった」

ダン「だが……」

ダン「わしが願ったものは、一体どちらだったのか。妻か……それとも、軍人になる前、一人の人間としての……」

ダン「……しかし、意外だ。最後の瞬間……君の一撃に迷いはなかった」

ダン「言葉にできずとも、譲れぬものがあったのだろう」

ダン「迷いながらも生きるがいい、若者よ。その迷いはいずれ敵を穿つための意志になる。努々忘れぬ事だ」

ダン「……さて、最後に無様を晒したが……悪くないな、敗北というのも」

ダン「実に意義のある戦いだったよ。はは、未来ある若者の礎になるのは、これが初めてだ」

緑アーチャー「……すまねぇな、旦那。やっぱオレには正攻法は向いてないわ」

緑アーチャー「無名の英雄じゃあ、アンタの器には応えられなかった」

緑アーチャー「……情けねぇ。他のサーヴァントなら、旦那にこんなオチをつけなかったってのに」

ダン「いや、謝罪するのはわしの方だアーチャー。わしの我儘ゆえに戦い方を縛りつけ、おまえの矜持を汚してしまった」

緑アーチャー「……まったく、いまさら遅ぇですよ。苦労かけられたどころの話じゃねぇんだよ、こっちは」

緑アーチャー「つうか、何? 謝ってんじゃねぇよ。それじゃオレがバカみたいじゃねぇか」

緑アーチャー「オレの事はいいんだよ。どうせ勝っても負けても、最後には消えるんだし」

緑アーチャー「そりゃ願いらしきものはあったけど、楽しけりゃオッケーなんですよオレは」

緑アーチャー「ま、旦那との共闘はつまんなかったんですけどね」

ダン「はは、ますます済まんな。騎士の誇りなど、おまえには無価値だったろうに」

緑アーチャー「んー……いや、なんだ。たまにだったら、やりなれない事も悪くないんじゃない?」

緑アーチャー「生前、縁はなかったがね。一度くらいは格好つけたかったんだよ、オレも」

緑アーチャー「……だから、謝る必要なんかねぇんだ。十分、いい戦いだった……恥じる所なんかどこにもねぇ」ボソッ

緑アーチャー「いやぁ、そもそも戦いなんて上等なもん、オレに出来るとは思わなかった」

緑アーチャー「思えば、生前のオレゃあ、富も名声も友情も平和も、たいていのものは手に入れたけどさ……それだけは手に入れる事ができなかった」

緑アーチャー「……だから、いいんだ」

緑アーチャー「……最期に、どうしても手に入らなかったものを、掴ませてもらったさ」シュウウウ……


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