過去ログ - オリジナル百合SSアンソロジー集
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77: ◆kki2TKFLsM[saga]
2015/05/16(土) 22:45:02.62 ID:YDO0HkpRo
ぷつんと、意識が途切れて、一瞬の間をおいて……
とはいえ、現実では30分くらいは経っているだろうが。
私は、夢を見始めていた。
夢、というよりも、走馬灯に近いものかもしれない。
過去に自分が経験してきたいくつものことが、美術館とか、誰かの個展のように
私の周囲に映し出されていた。
しかもよりにもよってそれらは、すべて……カンナに関係するものである。
現実でなら、ああ、何でこんな時に限ってアイツのことを思い出してしまったのだろうと、考えていたのかもしれないけれど
夢の中の私は、そういえばこんなこともあったなぁと、しみじみとしながら、彼女との思い出に浸っていた。
彼女と初めて出会ったとき……は、5年生の頃。
見知らぬ土地に転校してきた私は、クラスになかなか馴染めなかった。
そんな私に最初に声をかけたのがカンナ。柔らかい笑顔が、とても印象に残っている。
校内のこと、学校周辺のこと、私が知らないことをいろいろ教えてくれたっけ……。
そのころから生意気だった私にも、嫌な顔一つせず接してくれた彼女。
本当に生意気が酷い時には、注意されることもあったけれど……それは、中途半端な忠告ではなく
真剣に私のことを考えて、言葉を選んで、諫めてくれていたのだろうなぁ、と今になって思う。
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