過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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◆bBUdJHUgklsz
[saga]
2015/08/09(日) 23:26:15.94 ID:6kNqH4Mg0
耳元で鳴り響く轟音に、もうすでに聴力がおかしくなっていた。
海水の飛沫と自らの血で視界もかすみ、蔓延する火薬の匂いで鼻も利かない。
足がもつれ、よろける。よろけて、膝をつき、容赦なく上から降り続ける鉄の雨。
それをその身ですべて受け止める。腕に、足に、背中に。
肉の焦げた匂いと、夥しく流れ出る血。しかし、既に痛みも感じなくなっていた。
衝撃を感じても、そういった感覚はすでに失われている。
立ち上がろうとしても、力が入らない。状況も分らない。
頭が真っ白になる。自分がどこにいるのかも分からなくなる。
呼吸がきちんとできているのか、それさえも分らない。
それでも、まだ生きている。まだ、戦える。
――姉さまは……あそこ、か……
右後方で今も必死に抵抗を続ける姉の姿を見て、安心したように小さく笑みを作る。
その姉の姿さえ、すでに朧げにしか見えていないというのに。
攻撃を受け続ける自分を見つめる眼差しが、どんな感情なのかも分からないというのに。
そこに、最愛の人がいる。
それだけで、山城は笑顔になれる。
不思議なことに、恐怖心など、いつの間にか消えていた。
共に在ると、戦うのだと。そう誓った、その想いは、もう揺るがない。
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