過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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45: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/05/07(木) 23:12:38.70 ID:IMm/5xos0

 悩んだことだろう。苦しんだことだろう。
 全くの犠牲を出すことなく、この海を守りきる方法を、必死で考えたことだろう。
 だが現実は無情で、残酷だ。そんな方法あるわけがない。
 敵勢力に対して、運用できる艦はごくわずか。
中には練度が十分ではないものもいるし、戦闘に不向きなものもいる。
それらをすべて投入したところでいたずらに犠牲を増やすだけだ。
 深海棲艦から諸島を守り切りたい。犠牲は出したくない。両方が提督の強い本心で、優劣をつけたくなかった。
 だが、提督の立場がそうはさせてくれない。

 覚悟を、決めざるを得なかった。

 必死で考えた。最小限の犠牲で、守り抜く方法を。
 鎮守府に残っている艦娘のリストを眺め、諸島の周辺の地形をくまなく調べた。
 誰を行かせれば勝率が上がるか、どうやって戦えば生存率が上がるか……。
 

誰が沈んだら、一番痛手になるか……。


 ズキズキと胸が痛んだ。自分の立案した作戦を見返して、吐き気を催した。
 作戦が成功する確率は、ほぼ0だ。しかし、このまま何もせず敵の進攻を眺めるわけにもいかない。 
 2人から恨まれるかもしれない。それでも、命令を下すべきなのだ。
 自分は、この鎮守府の提督だ。所属する艦娘たちだけではない。市民の生命を守る必要がある。
 私情は挟むな、冷酷な人間になれ。


――2人から恨まれろ。




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