過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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58: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/05/16(土) 23:40:40.85 ID:zxkgxLyK0
「姉さまっ?」

耳を疑った。嘘だと言ってほしかった。 
 私と一緒に、逃げてほしかった。

「姉さまっダメです! そんな……そんなっ」 

 死にに行くような真似だけは。
そんな真似だけは、絶対だめだ。

「出撃したところでっ。勝ち目なんかない! ただの無駄死にです!」
「……確かに、勝てないかもしれないわね」

 でも、と優しげなほほえみに、強い意志を宿した目で、言う。

「守り切れれば、沈んだとしても、無駄な死ではないわ」
「なっ!?」
 
 扶桑の言うことは、その通りだ。
 この作戦の目的は、応援が駆け付けるまでの間耐え抜くこと。
 応援さえ間に合えば、扶桑たちの死と引き換えだとしても、作戦は成功。
 自分たちの勝利である。
 
 それでも、持ちこたえられるかは分からない。
 失敗の可能性のほうが高いかもしれない。
 そうだとても。

「それが、どうしたと言うのよ?」
「姉……さま?」

 たとえ、死にに行くようなものだとしても。
 たとえ、絶望しかない道だとしても。  
 誓ったのだ、皆を守ると。この国を守ると。
 
 艦娘として、戦艦として、戦ってくるのだと。

「そのためなら、私は、沈んでもいいわ」



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