過去ログ - Love A-RISE
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14:野良猫 ◆oiBB.BEDMs[saga]
2015/05/06(水) 10:53:10.60 ID:JvRyHgVUO
 †

「それで、一体何を考えているんだ?」

 英玲奈の問いかけが滞っていた空気を一瞬で変化させた。
 つばさ、あんじゅ、英玲奈の三人はUTX学院のカフェテリアに集まっていた。
 二人を集めたのはつばさだ。
 だというのに、つばさは肝心の話ではなく、関係があるとは思えない他愛もない話題ばかり振っては、核心に触れようともしなかった。
 そんなつばさの態度に業を煮やして、英玲奈がその口火を切ったと言うわけだ。

「思ったよりせっかちなのね」

 苛立ちを露にした英玲奈の視線を涼しげに受け止めながら、つばさは残っていた紅茶を飲み干した。

「お茶くらいゆっくり飲みたかったのに」

 さして残念そうでもなくそう言ってから、つばさは一呼吸置いてから口を開いた。

「ちょっと、ここのシステムをぶっ壊そうと思ってね」

 満面の笑みで告げられた一言は、英玲奈とあんじゅにとっては衝撃的なものであった。

「それぞれが与えられた役割を演じるだけの、スタンドアローンなアイドルを育成する。私はこのシステムを根本から変えようと思うの」

 ぽかんとする二人などお構い無しに、つばさは言葉を紡いでいく。

「アイドルなんて所詮は偶像。人が描いた理想だってことは知ってる。でも、私達は人形じゃない。一人一人感情だってあるし、なにより個性がある。同じ色ばかりじゃ、つまらない。違う?」

 無茶苦茶な事を言っているという自覚はあった。だが、それが間違っているとも思わなかった。

「言っている意味は分かるが、一体どうやってルールを変える。まさか理事会を説得するとでも言うつもりじゃないよな?」

 UTXの教育方針は理事会によって決定されている。
 つまり根本のルールを変えるにはその理事会を動かさなければならないという事に他ならない。

「ここのシステムは基本みんな嫌いだけど、一つだけ好きなものがあるの」

 つばさはイタズラな笑みを浮かべながら告げる。

「ようは勝てばいいのよ」


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