過去ログ - 二宮飛鳥「空の月に手を伸ばして」
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1: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:50:15.87 ID:1o/Q5QXBo
アイマス(主にデレ)×ぼくの地球を守って(ボクを包む月の光)
最近別のSSを書き始めたばかりなのに節操無く見切り発車
便宜上346プロという名称と設定を使っているけど、
アニメとは別の世界線のお話っつーことでお願いしまむら
◆
飛鳥「……ねえ、プロデューサー。月にはどうしたら行けるのかな?」
P「月? ……だったら、宇宙飛行士にでもなりゃいいんじゃないのか?
まあ、もしかするとお前が大人になる頃には、特に訓練を受けてない一般人でも
宇宙に行けるようになってるのかもしれないけど……
……しかし、何で急にそんな事を?」
飛鳥「……いや、特に理由はないんだ。
ただ、最近……月を眺めていると、どうにも心が騒ぐというか……
すぐ近くにあるように見えるのに、手を伸ばしても届かない……
そんな距離感にもどかしさを覚えるというか……」
P「……要するに『月に行きたい』って事か。
ほんと、お前の言い回しって無駄に回りっくどいよな」
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2: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:51:24.14 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥「思春期の14歳なんてみんな多かれ少なかれこんな感じだろう?
キミにだって、思い当たる節があるだろうに」
P「やめろ。古傷をほじくり返すな。
……ところで、今コンポから流れてる曲……小林亜梨子か?」
3: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:52:12.60 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥「別に騒がしい音楽が好きなんじゃなくて、
好きになった曲がたまたまそういう曲調であることが多いってだけだよ。
特定のジャンルに傾向しすぎて、本当に自分の好きな曲を見逃してしまうなんて、勿体無いだろう?」
P「どこぞのにわかロッカーに聞かせてやりたいねえ、そのセリフ」
4: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:53:37.68 ID:1o/Q5QXBo
P「儚げ……あいつがか? 何というか、想像もつかないな……
……っと、そろそろ営業に出なきゃいけない時間だな。
お前はこれからレッスンだったっけ?」
飛鳥「ああ。……最近はソロでの仕事も増えてきたからってトレーナーさんがやけに張り切っててね、
5: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:54:43.67 ID:1o/Q5QXBo
◆
飛鳥「ああ……疲れた。さっさと寮に帰ってゆっくりとお湯にでも浸かるとしよう」
6: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:55:42.45 ID:1o/Q5QXBo
「────」
飛鳥「……ん?」
飛鳥「歌声……? 噴水の方から?
7: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:56:39.81 ID:1o/Q5QXBo
ヒラ…
飛鳥「……ん?
桜の花びら……? もう五月も半ばだというの……に……」
8: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:57:35.40 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(あれだけ鮮やかに咲き誇っていた桜の花はいつの間にか綺麗さっぱり消えており、
残っているのは青々と生い茂る葉っぱだけ)
飛鳥(……今のは、白昼夢……だったのだろうか。
夜に見るそれを白昼夢と呼ぶのが適切かどうかは、知らないけれど)
9: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:58:35.79 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「もう半分は……何というか。
仕事先でちょっと、本当に些細な事が原因でなつきちと喧嘩しちゃってさ。
それで憂さ晴らしに歌ってたって訳」
飛鳥「へえ……」
10: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:00:41.94 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「うーん。さすがにそんな事はないと思うけど……
あ、そうだ。飛鳥ちゃん。どうせならもう一曲聴いていかない?
実はもう一つ、練習してる歌があってさ」
飛鳥「勿論。むしろ、こちらからお願いしたいくらいだよ」
11: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:01:37.33 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(……小林亜梨子の歌声が母の慈愛だとすれば、
李衣菜さんの歌声は、隣人に対する親愛……だろうか。
誰かの隣に寄り添い、支え、励ましてくれる……そんな歌声──)
李衣菜「────」
12: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:02:35.20 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(──ああ、桜が。
季節外れの、桜が、咲いて──)
飛鳥(桜だけじゃない。この広場にある草木全てが、
彼女の歌に呼応して、その生命を奮い立たせている──)
13: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:46:49.00 ID:1o/Q5QXBo
◆
「……おはよう、────。」
「今日ね、あたし、夢を見たのよ」
14: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:47:37.17 ID:1o/Q5QXBo
◆
飛鳥「……知らない天井……ではない、か」
飛鳥「ここは……事務所の医務室?」
15: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:58:14.90 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「あ、飛鳥ちゃん。目ぇ覚めた?」ヒョコッ
飛鳥「あ……李衣菜さん」
李衣菜「気分は大丈夫? どこか痛い所はない?」
16: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:59:30.66 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥「……ふむ。どうやら、キミには本当に心配と、手間を掛けさせてしまったらしいね……
ありがとう。そして、ごめんなさい。……この御礼は、いつか必ずさせて貰うよ」
李衣菜「別に気にしなくていいって。
後輩が困ってたら助けるのは、先輩の務めだからね」
17: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:21:15.37 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「じゃあ、私はそろそろ家に帰るよ。
……色々と落ち着いてからでいいから、後で今後のスケジュールについてメールで教えてね?
それじゃ、また今度。お大事に──」
飛鳥「ああ。また今度……
18: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:23:42.32 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(あまりにも自然に口をついて出たから気づかなかったけれど……
『キチェ』とは一体何だ?)
飛鳥(なぜボクは、それをあたかも既知の単語であるかのように、
何の疑問も持たずに口から滑らせた?)
19: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:26:32.37 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「──落ち着いて、飛鳥ちゃん!」
飛鳥「ッ……! あたし、いや……ボクは、一体……」
李衣菜「……急に覚醒しちゃったせいで、頭がまだおっついてない、か。
20: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:56:58.63 ID:1o/Q5QXBo
◆
李衣菜「……大丈夫? 落ち着いた?」
飛鳥「……何とか、ね。
21: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:59:54.97 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「…………
何というか、物凄く荒唐無稽な話になっちゃうけど、笑ったりしないでね?」
飛鳥「……笑わないさ。こんな衝撃的な体験をしたんだ、
今なら何を言われたって受け入れられるよ」
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