過去ログ - 二宮飛鳥「空の月に手を伸ばして」
↓ 1- 覧 板 20
10: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:00:41.94 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「うーん。さすがにそんな事はないと思うけど……
あ、そうだ。飛鳥ちゃん。どうせならもう一曲聴いていかない?
実はもう一つ、練習してる歌があってさ」
飛鳥「勿論。むしろ、こちらからお願いしたいくらいだよ」
11: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:01:37.33 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(……小林亜梨子の歌声が母の慈愛だとすれば、
李衣菜さんの歌声は、隣人に対する親愛……だろうか。
誰かの隣に寄り添い、支え、励ましてくれる……そんな歌声──)
李衣菜「────」
12: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:02:35.20 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(──ああ、桜が。
季節外れの、桜が、咲いて──)
飛鳥(桜だけじゃない。この広場にある草木全てが、
彼女の歌に呼応して、その生命を奮い立たせている──)
13: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:46:49.00 ID:1o/Q5QXBo
◆
「……おはよう、────。」
「今日ね、あたし、夢を見たのよ」
14: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:47:37.17 ID:1o/Q5QXBo
◆
飛鳥「……知らない天井……ではない、か」
飛鳥「ここは……事務所の医務室?」
15: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:58:14.90 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「あ、飛鳥ちゃん。目ぇ覚めた?」ヒョコッ
飛鳥「あ……李衣菜さん」
李衣菜「気分は大丈夫? どこか痛い所はない?」
16: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:59:30.66 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥「……ふむ。どうやら、キミには本当に心配と、手間を掛けさせてしまったらしいね……
ありがとう。そして、ごめんなさい。……この御礼は、いつか必ずさせて貰うよ」
李衣菜「別に気にしなくていいって。
後輩が困ってたら助けるのは、先輩の務めだからね」
17: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:21:15.37 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「じゃあ、私はそろそろ家に帰るよ。
……色々と落ち着いてからでいいから、後で今後のスケジュールについてメールで教えてね?
それじゃ、また今度。お大事に──」
飛鳥「ああ。また今度……
18: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:23:42.32 ID:1o/Q5QXBo
飛鳥(あまりにも自然に口をついて出たから気づかなかったけれど……
『キチェ』とは一体何だ?)
飛鳥(なぜボクは、それをあたかも既知の単語であるかのように、
何の疑問も持たずに口から滑らせた?)
19: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:26:32.37 ID:1o/Q5QXBo
李衣菜「──落ち着いて、飛鳥ちゃん!」
飛鳥「ッ……! あたし、いや……ボクは、一体……」
李衣菜「……急に覚醒しちゃったせいで、頭がまだおっついてない、か。
20: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 11:56:58.63 ID:1o/Q5QXBo
◆
李衣菜「……大丈夫? 落ち着いた?」
飛鳥「……何とか、ね。
35Res/22.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。