過去ログ - 二宮飛鳥「空の月に手を伸ばして」
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2: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:51:24.14 ID:1o/Q5QXBo
 飛鳥「思春期の14歳なんてみんな多かれ少なかれこんな感じだろう? 
 キミにだって、思い当たる節があるだろうに」 
  
 P「やめろ。古傷をほじくり返すな。 
 ……ところで、今コンポから流れてる曲……小林亜梨子か?」 
3: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:52:12.60 ID:1o/Q5QXBo
 飛鳥「別に騒がしい音楽が好きなんじゃなくて、 
 好きになった曲がたまたまそういう曲調であることが多いってだけだよ。 
 特定のジャンルに傾向しすぎて、本当に自分の好きな曲を見逃してしまうなんて、勿体無いだろう?」 
  
 P「どこぞのにわかロッカーに聞かせてやりたいねえ、そのセリフ」 
4: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:53:37.68 ID:1o/Q5QXBo
 P「儚げ……あいつがか? 何というか、想像もつかないな…… 
 ……っと、そろそろ営業に出なきゃいけない時間だな。 
 お前はこれからレッスンだったっけ?」 
  
 飛鳥「ああ。……最近はソロでの仕事も増えてきたからってトレーナーさんがやけに張り切っててね、 
5: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:54:43.67 ID:1o/Q5QXBo
 ◆ 
  
  
 飛鳥「ああ……疲れた。さっさと寮に帰ってゆっくりとお湯にでも浸かるとしよう」 
  
6: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:55:42.45 ID:1o/Q5QXBo
 「────」 
  
 飛鳥「……ん?」 
  
 飛鳥「歌声……? 噴水の方から? 
7: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:56:39.81 ID:1o/Q5QXBo
 ヒラ… 
  
 飛鳥「……ん? 
 桜の花びら……? もう五月も半ばだというの……に……」 
  
8: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:57:35.40 ID:1o/Q5QXBo
 飛鳥(あれだけ鮮やかに咲き誇っていた桜の花はいつの間にか綺麗さっぱり消えており、 
 残っているのは青々と生い茂る葉っぱだけ) 
  
 飛鳥(……今のは、白昼夢……だったのだろうか。 
 夜に見るそれを白昼夢と呼ぶのが適切かどうかは、知らないけれど) 
9: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 09:58:35.79 ID:1o/Q5QXBo
 李衣菜「もう半分は……何というか。 
 仕事先でちょっと、本当に些細な事が原因でなつきちと喧嘩しちゃってさ。 
 それで憂さ晴らしに歌ってたって訳」 
  
 飛鳥「へえ……」 
10: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:00:41.94 ID:1o/Q5QXBo
 李衣菜「うーん。さすがにそんな事はないと思うけど…… 
 あ、そうだ。飛鳥ちゃん。どうせならもう一曲聴いていかない? 
 実はもう一つ、練習してる歌があってさ」 
  
 飛鳥「勿論。むしろ、こちらからお願いしたいくらいだよ」 
11: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:01:37.33 ID:1o/Q5QXBo
 飛鳥(……小林亜梨子の歌声が母の慈愛だとすれば、 
 李衣菜さんの歌声は、隣人に対する親愛……だろうか。 
 誰かの隣に寄り添い、支え、励ましてくれる……そんな歌声──) 
  
 李衣菜「────」 
12: ◆ekZfrjcd.fgD[saga]
2015/05/07(木) 10:02:35.20 ID:1o/Q5QXBo
 飛鳥(──ああ、桜が。 
 季節外れの、桜が、咲いて──) 
  
 飛鳥(桜だけじゃない。この広場にある草木全てが、 
 彼女の歌に呼応して、その生命を奮い立たせている──) 
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