11: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:27:10.57 ID:Ali87vP20
どんなに綺麗なもので着飾っても、私の価値は誤魔化せないみたい。
「お待たせしました!」
プロダクションからプロデューサーさんが鞄を持って出てくる。
12: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:29:09.13 ID:Ali87vP20
そうですね―――と再び地図を広げるプロデューサーさん。
「日帰りだとこの辺りですかね」
「そうですね。それが妥当だと思います」
13: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:30:25.21 ID:Ali87vP20
そしてよもや追い抜こうかという時、ふらふらと空中を彷徨っていた彼の手を握る。
「ち、ちひろさん?」
「プロデューサーさんはどうも私がいる事を忘れて歩いてしまうみたいですから。首輪みたいなものです」
14: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:32:07.82 ID:Ali87vP20
「ちひろさん、お話があります」
あれから数日後。
今日も値札に囲まれた一日も終わろうとしている、二人きりの事務所で。
15: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:33:48.75 ID:Ali87vP20
少し、想像してみる。
数年後の私は、何をしているんだろうか。
また、値札に囲まれた生活をしているのだろうか。
16: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:35:58.10 ID:Ali87vP20
「……俺と、付き合っていただけませんか!」
突然、ばっと目の前に小さい正方形の黒色の箱を差し出される。
40万円……?もしかして、この中に入ってるのって。
17: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:38:37.49 ID:Ali87vP20
そこにあったのは、小さな小さなダイヤモンドがはめ込まれた指輪だった。
「……ふふっ」
「な、何か変でしたか?!」
18: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:40:48.80 ID:Ali87vP20
「もし私に振られたら、この指輪どうするつもりだったんですか?」
「く、クーリングオフを……」
「流石にそれはもったいないです。せっかくの指輪なんですから」
19: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/05/09(土) 21:43:55.06 ID:Ali87vP20
それは世界にあるどんな指輪よりも、どんな物よりも、高いものに見えた。
「ありがとうございます。私も好きです。プロデューサー、さん」
窓越しに月明かりが事務所の中に差し込んでいる。
20:名無しNIPPER[sage]
2015/05/09(土) 21:44:56.36 ID:VqBOYSiDO
ちっひおめでとう!
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