過去ログ - オリss注意 うちゅうおおかみ 
1- 20
28:名無しNIPPER[saga]
2015/05/16(土) 02:14:53.18 ID:ktooz+fw0
男は息を切らせて、人気のない道を走った。

彼の怠けきった肉体は、すぐに悲鳴を上げた。

血中の酸素不足によって、頭にうすもやがかかる。

胃がひどく痙攣し、内容物が何度もこみ上げてくる。

男は心の中で、弱音を吐いた。

きつい

こんな運動は自分にはまったく向いていない。

はたして、最期に走ったのはいつ頃だったか。

高校生のときだったか、大学生のときだったか。

走っている自分の姿を全く思い出せないことに男は気づいた。

一瞬動揺したが、頭に浮かんだ当惑を慌てて振り払い

また忘れることにした。

忘れることは悪いことではない。

むしろ、幸せまである。

それが、彼がついに編み出した自己防御術だった。

そして、今夜のことも忘れようとしていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
36Res/23.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice