42: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/14(木) 20:27:56.89 ID:X87xais80
王子「忘れ去られたなんてとんでもない!」
姫「王子様…?」
だから、姫の言葉をすぐに否定した。
王子「姫様はこうやって俺の目の前にいるじゃありませんか。物忘れが激しい俺でも、姫様のこと絶対に忘れない!」
それだけは疑いようのない事実。これだけは、絶対に否定させない。
王子「姫様が必要ないわけがない――外に出れば、いくらでも可能性はあるのに」
姫「王子様…」
例え国を失っていたとしても、姫ならきっと居場所を作れる。
王子「俺の方ですよ――」
姫「…え?」
どうしてか言葉が溢れてくる。
王子「努力を実らせることができない、もう努力する気力もない」
そんな自分、姫には知られたくなかったのに。
王子「必要とされていないのは、俺の方です」
全て吐き出したい気持ちも同時にあって。
王子「俺は多くの人に知られる存在で――その多くの人は、俺を無能と言います。必要とされていないのは、俺の方です」
言い切った後、後悔と、清々しい気持ちが、同時にあった。
92Res/60.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。