69: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/16(土) 18:55:21.66 ID:gEjvLFLL0
姫は恐怖に震えた。
少し前までの自分なら、ここまで死を恐れなかった。
誰からも必要とされていない、忘れられた姫君が、どうしてこの世に未練を抱けようか。
今は違う。死ぬのが怖い。
姫(せっかく、生き甲斐が出来たのに…)
王子は自分を救おうとしてくれた。
楽しい時間や、ドキドキする気持ちを教えてくれた。
必要だと、言ってくれた――
姫(そんな1番嬉しかった日に、私は死ぬの…?)
嫌。
勇者「諦めるんだな、あの世で父や兄に再会するがいい」
嫌だ。
王子「やめろ…勇者ぁ――っ!!」
姫(そうよ…)
死にたくない。王子ともっと沢山の時間を過ごしていきたい。
死ぬわけにはいかない。自分が死ねば、王子が傷つく。
勇者「覚悟し――」
姫「嫌ああぁ――っ!!」
勇者「!?」
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